「乙女の責め苦」 芽が出た 【投稿日:2005 7/17(日)
07:13】
イロメク街のヨロメク喧騒を歩いていると どこからかヒシメクような無防備のトキメキが ウゴメキ出してきました ウメキにも似た「はつこい」だもの ついナキワメキ メクルメク気の迷いだったことにしたくなります なんて汚らわしいナゾメキのない困惑 そのユラメク微熱に誘われて ヒラメキもツヤメキも ホノメキもドヨメキも 全部否定して 私の心をナマメキ乱す「こい」という単語は アワテフタメキ こいに辞書から一切削除しましょう そしてメキメキ頭角を現す疑心暗鬼のまま 出会いとは無縁のザワメク道に立ち 独りでだってキラメキながら生きていけるもん と息巻く そんなソヨメクほどの臆病なお話 MAKE
UP MIND. 「こい」という言葉の重圧から MAKIN' MAKIN'
LOVE. 意味もなく無我夢中で オトメキ オトメク オトメゴコロ 逃げ出してたセメギアウ年頃
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ぐりぐりのコメント |
名前:ぐりぐり 日付:7月25日(月) |
(ぐりぐりのコメント) う〜ん……上手いねぇ〜〜〜。
( ̄ー ̄;)。。。 言葉遊びの好きなメガちゃんの持ち味を最大限に生かした作品といったところかな。 「メク」と「メキ」の韻の踏み方が耳に心地良いよね。 破綻をきたさないように上手く当てはめたものだと感心もさせられるよ。 中には無理やり当てはめた箇所もあると思うけれど、 その意味の不明瞭さがかえって不条理な現代詩っぽくて面白いと思う。 「恋」と「故意」をかけているところも気が利いてるよね。 「メイクアップ」と「メイキンラブ」で「メク」と「メキ」をかけてるところもナイス♪ 読み進めていくと「メク」と「メキ」に追いかけられているような気分になってきて、 その心地良い息苦しさがまさに「言葉の重圧」とか「セメギアウ」といった感じ。 読み終えたときには「逃げ出し」てきたような錯覚を覚えて、ほっとする。 あふれる言葉や感情から逃れようとして出口を探し回るようなスピード感と陶酔感は、 何度読み返しても楽しめるね。(^-^)v
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Re:
特別企画「穴埋め作詩塾」第2弾 応募作品 |
名前:ななす 日付:7月27日(水) |
最初の印象は歌の歌詞みたいだと思ったなり 思いついただけでもすごいのに フォーマットの制限の中でここまでの 文章にするとは・・・
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ななす♪ ありがとう♪ |
名前:ぐりぐり 日付:7月28日(木) |
うんうん。(*^-^*) 私も最初に読んだときには、歌詞みたいだと思ったよ♪ 歌うように読める詩だからかな。 私も仮に「メキ」や「メク」という言葉を片っ端から辞書で探し出してきたとしても、 フォーマットに合わせて並べるなんて、とても無理だよ。{{{{(;>_<)}}}}
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Re:
特別企画「穴埋め作詩塾」第2弾 応募作品 |
名前:芽が出た 日付:8月8日(月) |
>ぐりぐり この作品が書かれた背景は複雑なので、詳細は解説に譲ります。 でも、一言個別に述べさせていただけるなら「いやあ、作者の望むとおりに読んでくれましたねえ」とお礼を申し上げさせていただきます。 英語部分をカタカナ表記にしてくれたから、他の読者にもさらに読みやすくなったと思うので、それもセンキューです^^ ところで、意外だったのですが『言葉の重圧』は本来「恋」という単語にかかっているわけなのですが、ぐりぐりは「この作品そのもの」に重圧を感じているようです。 読者を息苦しくさせるようなカラクリを仕込んだ覚えがないので、この作品にそんな機能があるとは思いませんでした。 ということは思いのほか大成功だったと言えるかもしれません。 元々、詩作を志すようになるずっと以前からダジャラーなので、そのダジャレの応用で韻には強くなったように思います。 だってダジャレの基本は「言葉の音を似させること」なわけですから、「踏韻(とういん)」ってある意味ダジャレでしょ?^^
>ななす そうなのね。ラスト6行は、ちょっぴし歌っぽく見えるようなアプローチをしてみたんだよ。 英語が出てきたから、普通に日本語の文章を続けて書くのは難しので、どうせ分断されるならってことで、歌っぽくしてみたわけなのです^^ ちなみに、この作品ではパソコンにインストールしてある国語辞典をフル活用しました。 だから、メガは自分で言ってるほど知識が豊富なわけじゃないんです(爆死)
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メガメガ♪ |
名前:ぐりぐり 日付:8月9日(火) |
英語の部分をカタカナ表記にしたのは、 「韻を踏んでることに気づかない人がいるかも」と思ったからだよ〜。 ぐりちゃん、親切。誉めて誉めて〜♪ q(≧∇≦*)(*≧∇≦)p
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Re:
特別企画「穴埋め作詩塾」第2弾 応募作品 |
名前:芽が出た 日付:8月19日(金) |
自作解説12 乙女の責め苦
本作は、今回発表の13作のうち最後に書いたものです。 執筆の動機は、本作のひとつ前に書いた『失われた歩み』が、当初の「シリアスな抒情詩」という目論み通り完成しなかったことに対する雪辱戦です。 それと、まだ本作着想時点では『失われた歩み』をボツにする意向があったため、もしボツにしたら総数ジャスト1ダース(12作品)というキリの良さが崩れますので、それを嫌ったという背景もあります。 前作の失敗を省みて、あくまでも「抒情詩」を物にするために、若干規制を緩和して「シリアス」というファクターを除外して構想を練りました。
例によって第1行目から順当に書き進めてゆきました。モチーフは「上辺では汚らわしいと突っぱねつつも、内心では大いに幻惑されている『初恋』という未知なるものに対する少女の困惑」 そうして書かれたのが初稿『乙女の困惑』です。以下に全文を挙げます。
乙女の困惑
華やかな街の揺らめく喧騒を歩いていると どこからか煌(きらめ)くような無防備のときめきが ざわめいてきました よろめくほどの「初恋」だもの つい疑って 気の迷いだったことにしたくなります なんて汚らわしい困惑 その微熱に誘われて 憧れも諦めも 気後れも慰めも 全部否定して 私の心を乱す単語は わざと辞書から一切削除しましょう そして出会いとは無縁の道に立ち 独りでだって生きていけるんだから と息巻く そんな臆病なお話 「 恋 」という言葉の重圧から 意味もなく無我夢中で逃げ出してた年頃
ご覧の通り、採用発表分『乙女の責め苦』と比較しても、あらすじはほぼ同一です。 むしろ、こちらの方が普通の文章で書かれているためストーリーは明瞭です。 ただ、このままでは抒情詩というより、特色のない平凡な作品でしかありません。
そこで再度詳細に読み返してみると、『揺らめく』『煌く』など「めく」や「めき」や「めいて」など所々に中途半端な踏韻が施されています。 そこに着目して、ではストーリーやテーマはこのままに全面改稿し、もっと幾何学的とも言えるような前衛詩に仕立ててしまおう、という激しい欲求が湧き上がってきました。この時点で「抒情詩」に対するメガの敗北は決定しました。
そんなわけで、また毎度おなじみの「広辞苑第五版」で検索をかけ、語尾に「めく」および「めき」のつく単語を洗いざらい吐き出させました。そしてテキストにリストを作成し、順次当てはまりそうな箇所へ挿入してゆきました。 その際の注意点は2点。 1つは、メガ自身がまったく聞いたこともない単語は一切使用しないこと。 もう1つは、前後の文章とあまりストレートに馴染む単語を挿入せず、いくらかシャッフルさせ、微妙に適合するような、微妙にズレがあるような、といった印象を受けるような配置にしました。 何故このような考慮をしたかというと、あくまでも前衛詩らしくするためには「当たり前の言葉使い」ではイメージの拡張性を阻害する恐れがあるからです。 かといって、まったく結びつかない言葉を挿入したり、自分の知らない言葉を用いたりすれば、それは「文章」ではなく「パズル」になってしまい、作品はその意義を失います。 「虚偽」と「ハッタリ」は異なるわけです。 もっとも「有能な悪魔は、1つのウソを信じ込ませるために99の真実を語る(by・芽が出た)」という論理は創作にとって不可欠なので、ウソが必ずしもマズイわけではありません。 「ハッタリ」、つまり、「事実とは言えないことは分かっているけれど、いかにも本当っぽく見えるもの」は、作品を描く上でとても有効な手段です。伝わりにくい事実よりも、よほど効果的です。 創作の目的は(一概には言えませんが)必ずしも事実のみを追求することではなく、作者が信じる真実を読者がよりイメージしやすい形で表現することだと、少なくともメガは信じています。 なので、今回のケースの場合、メガ自身から見て信頼出来ない「食材(知らない言葉。どう機能するか定かでない手法)」を無責任に読者に食べさせるのは危険だなと判断した、っていうその程度のことです。
「めく」や「めき」などのギミック箇所をカタカナにしたのは、「ここは仕掛けの部分ですよ」と明確にし、見た目に「記号化」したように映るので、より前衛性を高められるのではないか、との狙いです。それと対を成すことを画策して、キーワードである「はつこい」「こい」はカッコ付きひらがな表記にしました。 終盤の英文も「めき」「めく」の一例なのですが、それは耳で聞いた場合それっぽく響くというだけで、正しいカタカナ表記に置き換えても「めき」「めく」にはならないので、まるで得意ではないけれど英文表記でゆくことにしました。 英文が挿入されたことで、通常の日本語叙述を再開することに妙に違和感が感じられたため、それ以降は歌謡曲の歌詞のようなものをイメージした叙述に移行させました。
最初から最後まで「メク」「メキ」で埋め尽くされています。ですから読者はすっかり麻痺してしまい「オトメキ(乙女き)」「オトメク(乙女く)」という実際には存在しない意味不明の単語が登場しても、、まったく違和感を感じません。むしろ、そういう新語があったっていいじゃないか、と思わせられるくらい読者を幻惑の淵に立たせることに成功していれば、作者としては幸いです。
「セメギアウ」という言葉は、他の単語と異なって「めき」が末尾ではなく「せメギあう」と言った具合におよそ中央に位置しています。そういった特殊な「めき」なので、是非とも結びに使いたいと思っていましたので、上手く最終行に収まってくれて大満足しております。
一番自分を褒めてあげたいのは「メキメキ」の使い方です。リスト作成時には、こんなもの一体どうやったら使えるんだろう? と、うろたえていたほどなので、ボツにせずに済んで何よりでした。
タイトルが『乙女の困惑』から『乙女の責め苦』に変わっていますが、それは単に『責め苦』という言葉を本文中で消化しきれなかったからというだけの理由です。言うまでもなく『責め苦』は「セメク」なので、これもギミック語のひとつなわけです。
初稿を全面改稿している(言い換えれば、2度初稿を書いている)こともあって、本作は今回発表作中、最も時間のかかった作品となりました。 他の作品もすべて、最低1週間以上は推敲のために熟成させていますが、その推敲を行うための前段階(下地というか土台の段階。他の作品の場合は初稿にあたる)を完成させるのに30分以上を要したのは今回の13作中、本作だけです。 珍しく力作を書いてしまいました^^ | |
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Re:
特別企画「穴埋め作詩塾」第2弾 応募作品 |
名前:ななす 日付:8月21日(日) |
考えてみればこの作品が一番時間食ってるよね・・ 「ムリヤリ宇宙戦争」かと思ってたけど。。
「完成させるのに30分以上を要したのは・・・」
って、他の作品は30分かからなかったの?? ・・・・ななすはアレでも1時間位かかってたよ〜な気がする・・・
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メガちゃん♪ ななす♪ ありがとう♪ |
名前:ぐりぐり 日付:8月30日(火) |
メガちゃん♪ うんうん。私の見た限りではメガちゃんの工夫は全て功を奏していると思うよ。 特に「オトメキ」や「オトメク」という造語は違和感を感じさせないどころか、 その意味やニュアンスさえも自然に伝わってきそうな気がする。 力作だと言っているわりに、たったの30分で作ってしまうとはさすが!(≧◇≦)
ななす♪ ななすぅ。私、1時間どころか3日がかり〜〜。(;´д`)ノ
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