特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：ぐりぐり    日付：7月25日(月)

「バーチャル・テンダネス」　芽が出た　　【投稿日：2005 7/17(日) 06:54】

十字路を歩いていると
どこからか悪魔の優しさが
目覚めてきました
困っている人がいるのだもの
つい 誑（たぶらか）したくなります
なんて清々しい気まぐれ
その天使の声に誘われて
素直に感謝する人も感涙にむせぶ人も
全部仮初（かりそめ）の慈愛でおびき出して
丁寧に陥れてしまいましょう
そして悦楽の崖に立ち
この仮面に惑わされた愚かな人たちを
しばし憐れんで差し上げます
そんな無邪気なお話
私は悪意のない戯れが大好きなのです

 

ぐりぐりのコメント

名前：ぐりぐり    日付：7月25日(月)

（ぐりぐりのコメント）
ふむふむ。これもフォーマットの悪用をしていない正統派の穴埋め詩だね。d(^-^)
といっても「フォーマットの悪用」が「邪道」っていうわけじゃないよ。
あれはあれで大好き。ヾ(≧ω≦)〃
「ユートピア＝どこにもない国」に比べると、毒気が強いね。
性格の歪んだ私から見ると、こっちの詩のほうが好みかな♪
窮地に立たされている善人たちを陥れるとは、ホンマもんの悪魔やな。（￣ー￣）
本物の悪魔は天使の顔をして近づいてくるものだよね。
悪人が絵に描いたような悪人面をしているのは時代劇だけかも。ヾ(≧ω≦)〃
自分のことを天使だと思い込んでる悪魔もいるけれど、
天使を演じている悪魔もいれば、悪魔を演じている天使もいる。
私は天使を演じている中にも毒気の垣間見える悪魔が好きかな。
天使になろうとしている悪魔も好きだ。
どちらにしても自分の中の汚い部分を自覚してる人が好きだな。


Re: 特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：ななす    日付：7月26日(火)

うむ〜、やっぱ解説がないと解りにくいかも〜
でも、素で読んでみるのと解説付きとでは見方も
変わるので二度美味しい芽がしゃんの作品。。
今回も説明付けるのかな〜？


ななす♪　ありがとう♪

名前：ぐりぐり    日付：7月27日(水)

内容の意図や具体的な背景は本人の解説がないと分かりにくいよね。(⌒◇⌒;)
その分、読者それぞれが好きなように解釈するという楽しみはできるけどね♪
「二度美味しい」という言葉はメガちゃんにとっては最高に嬉しい言葉なのかも。
解説を書く甲斐ができるものね。(*^-^*)
今回も解説はあると思うよ。
ななすのためにめっちゃ親切に（長〜く(|||��ｪ��)）書いてくれると思うよ♪


Re: 特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：チャモ参上（〃▽〃）    日付：7月29日(金)

ごめん・・σ(￣▽￣)にも解説してくれ＾＾；
奥深すぎて　芽がワールドに迷い込んでいるみたい（汗）
芽が〜たのんます！（〃▽〃）

７月２８日（木）２１：３９


チャモ♪　ありがとう♪

名前：ぐりぐり    日付：7月30日(土)

うんうん。具体的にどういう状況を詩にしたものなのか、
作者が思い描いているものがあるのなら、ぜひとも解説してほしいところだよね。d(^-^)


Re: 特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：芽が出た    日付：8月8日(月)

＞ぐりぐり
　十年以上前に某・自作詩の中で『有能な悪魔は　悪魔の顔をしていない』とか『悪魔は　１のウソを信じ込ませるために　９の真実を語る』とか述べたことがあります。
「悪魔」と「天使」という矛盾した単語を配しているのに、きちんと「天使の〜よ〜な〜、悪魔の〜笑顔〜ぉ♪」というニュアンスで読み取ってくれている辺り、嬉しいというか、流石ぐりぐりだなあと思いました。

＞ななす＆チャモ
　本来、解説が必要な作品なんて未熟な不完全作品なのかもしれませんが……いいの、解説はメガ最大のウリだから（爆）
　今回も解説は予定しておりますが、あまりにも時間がなく、今週末がお盆休みなのでその時まで書き始めることすら出来そうにありません。
　もっとも、この作品の場合、別段ヒネリもボカシも含みもなく、思ったまま素直に描いたので、作品からシチュエーションが読み取れないということであれば、たぶん私が思い描いている情景そのものが難解であるということになるので、恐らく解説をしたところで「ああ、なるほど」とはならないのだと思います。
　ま、詳しくは近日公開の自作解説にて。乞う、ご期待！！（爆）


メガちゃん♪　ありがとう♪

名前：ぐりぐり    日付：8月8日(月)

メガちゃん！　こんなに長く書いてるのに、これとはまた別に「自作解説」があるのぉ！？Σ(ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ
これはあくまでも「感想文に対するレス」なんだね。(|||��ｪ��)
まだまだ先が長そうだな。 (￣ー￣；)。。。


Re: 特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：芽が出た    日付：8月19日(金)

自作解説02　バーチャル・テンダネス


　本作は、今回発表の13作中最初に書いた作品です。
　どうもストーリーの意味が分からないという問い合わせが数件あったようですが、そんなに難しい内容ではないつもりでいます。
　結論から申しますと、本作は「親切を装って、困っている人に近づき、一旦は恩人だと感謝されるだけの善行を施すものの、実はそれは見せかけで、最終的にはその困窮者を地獄に突き落としてしまう。そんな悪質なイタズラを仕掛けることに至上の喜びを感じるニセモノの救済者のお話」です。

　メガは本作執筆の際、連想ゲーム式に発想を展開してゆきました。

☆まずフォーマットが『○○を歩いていると』なので、どこ（つまり場所の設定）を歩いているこ　　とにしようかなと思案。→
☆何となく『十字路』を歩いていることにしたくなったので、これに決定。→
☆『十字路』と言えば『クロスロード・ブルース』で知られる伝説のブルース・ミュージシャン『ロバート・ジョンソン』→
☆『ロバート・ジョンソン』は、十字路で悪魔と出会い、ギターの優れた才能（それまではまったく下手クソだった）および音楽的成功を得ることを条件に、自分の魂（本来の余命・寿命）を売り渡す契　約を悪魔と交わした……というウワサがある。→
☆『悪魔』というキーワードから『優秀な悪魔は、悪魔の顔をしていない』および『優秀な悪魔は、１つのウソを信じ込ませるために99の真実を語る』という昔書いたメガ自作のフレーズを思い出す。→
☆ここまで浮かんだイメージが混然一体となり「偽りの親切によって困窮者に不幸をもたらす愉快犯」という明確な人物像を思いつく→
☆と、そういえば何か、どっかに似たようなキャラがいたような……と記憶を辿ってゆくと『喪黒福造』に行き着きました。

　とまあそんなわけで、自分の思い描いたテーマを手っ取り早く形にするために、『喪黒福造』をモデルというかイメージして書き進めることにしました。

　その昔「大橋巨泉」が司会をしていた『ギミア・ぶれいく』という番組内でアニメ化されていたのでご存知の方も多いかと思いますが『喪黒福造』は、「藤子不二雄Ａ」作の漫画『笑ウせぇるすまん（原題名・黒イせえるすまん）』の主人公です。
　メガの本作は、喪黒をパロディーする目的で書き始めたものではないのですが、先述したような関連性がありますので、本作が十分に楽しめなかった読者は喪黒を想定して再読されると案外分かり良いかもしれません。
　ですので、語句一字一句が各々何をどう表しているのかについて詳細に説明するのは控えさせていただきます。多分、メガのそんな冗漫な解説よりも「喪黒がモデルなのだ」と仮定してお読みになった方が数倍飲み込みやすいものと思われます。

　メガ自身の読み返してみた印象ですが、これは日常の喪黒ではなく、まだ悪に手を染めていなかった頃ってきっとこうだったんだろうな、といった想像を促されました。まだ普通人だった喪黒は、ある日突然どこからか得たその「悪夢のセールス」という発想のままに、最初の犠牲者へと向かってゆく。そんな悪の目覚め「喪黒福造・前夜物語」といった感じがします。

　最終行『私は悪意のない戯れが大好きなのです』は、原作『笑ウせぇるすまん』の第18話『アルバイト秘情報』（「秘」は原文では「○」内にあって「まるひ」と読む。機種依存文字のためテキストでは文字化け。よってここでは敢えて「秘」だけで表記した）の最終ページで、喪黒が協力者との会話の中で発したセリフを元にしています。そのシーンを以下に引用します。


　　喪黒　「それではアルバイト料十万円さしあげますよ」
　　協力者「どーも　どーも　そいじゃこの九十万円の札束おかえしします」
　　喪黒　「ホッホッホッ　この札束　いちばん上だけがホンモノで中は紙キレだから　一万円の札束というわけですな！」
　　協力者「それにしても　あなたこんなにお金つかって　いったいどんなトクがあるんですか？」
　　喪黒　「ホッホッホッ　なんにもトクになることはありませんよ　ただわたしは　こういう悪意のないイタズラが大すきなのです」


……うっ！　元にしているどころか、ほとんどそのままですな（爆）

　タイトルの『バーチャル・テンダネス』は、もう10年以上前に作ったフレーズで、随分長い間使用する場所を探していたお蔵入りフレーズです。
　日本語に訳すと「架空の優しさ」とか「仮初（かりそめ）の慈愛」とか「偽りの親切」とか、そんな感じになるのでしょうか？　とにかく、その優しさはニセモノなわけですね。

　過去に何度ともなく、いたる所に書いてきましたが、メガは『ドラえもん』の作者である「藤子・Ｆ・不二雄」氏を神と崇めております。
　では、Ｆ氏の長年のパートナーだった「藤子不二雄Ａ」氏はどうかと言いますと、ハッキリ言ってかなり嫌いです。ご本人がどうのというのではなく、その手になる作品が、ということですが。
　Ａ氏の作品の特徴は、独りよがりとも言えるほどの「露悪趣味」です。不可解で、何の教訓もなく、ただいたずらに不快感を感じるだけのＡ氏のブラック・ユーモアには、どうしても生理的に馴染めないメガなのでした。
　そう言えばメガは「阿刀田　高」の小説にも馴染むことが出来ないので、案外ブラック・ユーモアそのものが苦手なのかもしれません。何しろメガちゃんは「メルヘンを愛する平和主義な偽善者」なのですもの♪

　余談ですが、「藤子不二雄Ａ」氏は、先述のＴＶ番組『ギミア・ぶれいく』のレギュラー出演者でもありました。
　同番組内でのこと、司会の「大橋巨泉」が「近頃『喪黒福造』が自分に似てきている」といった趣旨の懸念を発したのですが、それに対して作者であるＡ氏がこう答えました。「そりゃそうですよ。だって、あなたがモデルなんですから」
　ということは、本作『バーチャル・テンダネス』のそもそもの元祖は「大橋巨泉」だったのですね！♪（爆）


Re: 特別企画「穴埋め作詩塾」第２弾　応募作品

名前：ななす    日付：8月20日(土)

うむ〜、言われてみればスラスラ理解できるなり
しかし、深い・・・やっぱ解説は必要だな・・・


メガちゃん♪　ななす♪　ありがとう♪

名前：ぐりぐり    日付：8月30日(火)

メガちゃん♪
メガちゃんは書く前に構想を練るのではなく、書きながら方向性を考えていくんだね。
それにしては「行き当たりばったり」な印象を与えずに、きれいにまとまっていると思うよ。
「喪黒福造」を想定して読むと分かりやすいとのことだけど、
私はそれを聞いてからは作品のイメージが壊れちゃったよ。(⌒◇⌒;)
「笑ウせぇるすまん」をアニメで何度か観た限りでは、
「喪黒」は被害者に近づいてきた時点でいかにも腹黒そうに見えるんだもの。（;^_^A
『天使の声』は「優しそうに聞こえる言葉」という意味で書いたのかな？
私は「天使を思わせるかのように澄んだ声」という意味も含まれていると思ったよ。
『仮面』は「偽りの外面」という意味で書いたんだね？
私は「美しい顔かたち」という意味もあるのだと思ってた。
それに「たぶらかす」というのは、私の中では「色恋で異性を騙す」というイメージが強いよ。
『快楽』という言葉も性的なイメージを彷彿させる。
だからこの詩は「チョ〜美少年が傷心中の女を弄ぶ物語」なのだと勝手に思い込んでた。
それが「喪黒福造」だったとはぁぁ！！（/TДT）/

ななす♪
ななすはこの詩に対して「喪黒福造」のイメージでしっくりとしたのかな。